長期修繕計画の見直しコンサルティングを行っていると、とある大きな壁に直面することがあります。
それは、修繕積立金の金額が管理規約に明記されているため、改定が「特別決議」になるケースです。
本来であれば普通決議とされるべき事項ですが、管理規約の変更となるため特別決議とする場合です。
特別決議となる場合、これまでは
区分所有者数および議決権数のそれぞれについて、4分の3以上の賛成が必要でした。
このため、
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総会に出席しない
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委任状を提出しない
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議決権行使書も提出しない
こうした区分所有者は、実質的に「反対」と同じ扱いとなり、
結果として、修繕積立金の改定が非常に成立しにくいという問題がありました。
しかし、2026年4月施行の区分所有法改正により、この点が大きく見直されます。
改正後は、特別決議において
総会に出席せず、委任状も議決権行使もしない区分所有者は、母数から除外され、
出席者および有効に議決権を行使した者のうち、4分の3以上の賛成で可決されることになります。
言い換えると、
意思表示をしない区分所有者は、議決に参加しないものとして扱われるということになります。
この改正は、
マンションの管理規約を改正していなくても適用される
区分所有法の「強行規定」です。
つまり、管理規約よりも法律が優先されます。
そのため、この制度変更を十分に周知しないまま総会を開催すると、
「知らなかった」「聞いていない」といった不満や誤解が生じ、
新たなトラブルの火種となる可能性があります。
今後は、
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総会案内時の丁寧な説明
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事前説明会や書面での周知
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議決権行使の重要性の明確化
こうした対応が必要になりそうです。